今回は『純粋理性批判』の超越論的原理論のうち、超越論的感性論(特に空間について)の内容を確認しました。
- 直観は認識が対象と直接に関係するための方法・思考の手段、私たちが直観し得るためには対象から意識が触発されなければならないが、感性はその触発される仕方によって表象を受け取る能力
- 対象は悟性によって考えられ、悟性から概念が生じる
- 対象が表象能力に与える作用によって生じた結果は感覚(Empfindung)、感覚を介して対象と関係する直観は経験的直観、経験的直観がまだ未規定なものである場合には、現象(Erscheinung)と呼ばれる
- 現象において私たちの感覚が現象の質料・素材(Materie)、現象の多様な内容をある関係において整理するところのものが現象の形式(Form)、感覚を整理するものは感覚自身ではありえないので、現象の形式は私たちの心のうちにア・プリオリに備わっている
- 純粋直観は感性的直観一般の純粋な形式
- 空間は、多くの外的経験から抽象されてできた経験的概念ではなく、ア・プリオリな直観である
■次回の活動
- 日時:2016年7月21日(木)18:00~20:00
- 場所:教養学部406学生研修室
- 内容:読書会
- テキスト:カント 著『純粋理性批判』(Ⅰ 超越論的原理論 第一部門 超越論的感性論 第二節 時間について)
(文:沖田)