2016年7月16日土曜日

7月14日の活動報告

7月14日は、カントの『純粋理性批判』の第3回読書会を開きました。
今回は『純粋理性批判』の超越論的原理論のうち、超越論的感性論(特に空間について)の内容を確認しました。
  • 直観は認識が対象と直接に関係するための方法・思考の手段、私たちが直観し得るためには対象から意識が触発されなければならないが、感性はその触発される仕方によって表象を受け取る能力
  • 対象は悟性によって考えられ、悟性から概念が生じる
  • 対象が表象能力に与える作用によって生じた結果は感覚(Empfindung)、感覚を介して対象と関係する直観は経験的直観、経験的直観がまだ未規定なものである場合には、現象(Erscheinung)と呼ばれる
  • 現象において私たちの感覚が現象の質料・素材(Materie)、現象の多様な内容をある関係において整理するところのものが現象の形式(Form)、感覚を整理するものは感覚自身ではありえないので、現象の形式は私たちの心のうちにア・プリオリに備わっている
  • 純粋直観は感性的直観一般の純粋な形式
  • 空間は、多くの外的経験から抽象されてできた経験的概念ではなく、ア・プリオリな直観である
読書会では、空間は概念ではなく直観であることについて、多くの議論がなされました。

■次回の活動
  • 日時:2016年721日(18002000
  • 場所:教養学部406学生研修室
  • 内容:読書会
  • テキスト:カント 著『純粋理性批判』(Ⅰ 超越論的原理論 第一部門 超越論的感性論 第二節 時間について)
テキストは出来る限り各自で用意してお越し下さい。どなたでも参加可能です。お待ちしております。
(文:沖田)

2016年7月13日水曜日

7月7日の活動報告

7月7日🎋は、カントによる『純粋理性批判』の読書会を開きました。
今回は『純粋理性批判』の序論(緒言)の内容を確認しました。
  • ア・プリオリな認識は一切の経験に関わりなく成立する認識、経験的認識は経験によってのみ可能な認識、純粋認識はア・プリオリな認識のうち経験的なものを一切含まない認識
  • 分析的判断は述語Bが主語Aの概念のうちにすでに含まれているような解明的判断、総合的判断は述語Bが述語Aに結びついてはいるがAの概念のそとにあるような拡張的判断
  • 純粋理性の本来の問いは「ア・プリオリな総合的判断はどのようにして可能であるか」
  • 純粋理性の批判は、純粋理性の源泉、限界を判別する、純粋理性のための予備学


■次回の活動
  • 日時:2016年714日(18002000
  • 場所:教養学部406学生研修室
  • 内容:読書会
  • テキスト:カント 著『純粋理性批判』(Ⅰ 超越論的(先験的)原理論 第一部門 超越論的(先験的)感性論)
テキストは出来る限り各自で用意してお越し下さい。どなたでも参加可能です。お待ちしております。
(文:沖田)

2016年7月3日日曜日

6月30日の活動報告

6月30日は、カントによる『純粋理性批判』の読書会を開きました。
今回はカント哲学の背景や『純粋理性批判』の概要を確認したのち、第一版と第二版の序文を読みました。

実在論←→観念論
経験論←→合理論

概念・悟性+直観・感性→認識
これまでは人は、すべて私たちの認識は対象に従わなければならないと想定した。しかし、私たちの認識がそれによって拡張されるような何ものかを、対象に関してア・プリオリに概念をつうじて見つけるすべての試みは、こうした前提のもとでは失敗した。だから、はたして私たちは形而上学の諸課題において、対象が私たちの認識に従わなければならないと私たちが想定することで、もっとうまくゆかないかどうかを、いちどこころみてみたらどうであろう。(B XVI, 原佑訳)

■次回の活動
  • 日時:2016年77日(18002000
  • 場所:教養学部406学生研修室
  • 内容:読書会
  • テキスト:カント 著『純粋理性批判』(序論(緒言))
テキストは出来る限り各自で用意してお越し下さい。お待ちしております。
(文:沖田)